2012年7月29日日曜日

着物

叔母の形見分けに着物をもらいました。昔見たものばかりです。 私が叔母達の着物を欲しがるには訳があります。母が叔母達の着物はみな仕立てていたからです。 母が縫っていた着物をポツリポツリ和バサミで糸を解くとき涙がでます。 母がいかに丁寧に仕立てたかが解るからです。洋裁学校を終えたとき 母が私の寸法をノートに取らせながら 長襦袢 浴衣 ウール 紬 と着物の縫い方を教えてくれました。「わたしはこうする。此処はこうしたほうが」母なりの工夫はその後何枚も着物を解いてみて違いが分かりました。

まだしつけ糸が付いています。縮緬のモダンな着物ですが袖を通す事はなかったようです。

黒塩瀬の帯びには手描きの御所人形が描かれています。 帯びを縫うのが好きな母が仕立てていたのを覚えています。


宇野千代の創作刺繍着物は古いものなのに綺麗にきちんと保存されていました。

この着物は・・・・・認知症になり始めた叔母が甥の婚礼のために求めた最後の着物です。上の千鳥と網の織り帯びが一式になっていました。いまは故人の二人の叔母の手を引いて ホテルを歩き回ったことが昨日のようです。

0 件のコメント:

コメントを投稿